大阪八尾市の植田司法書士事務所です。
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内縁の妻に遺産を相続させる方法
内縁の妻、結婚していない事実上の奥さんは相続人ではありません。
ですので、原則として内縁の妻は遺産を相続しません。
しかし、内縁の妻に遺産を承継させる方法はありますので解説していきます。
遺言書を作る方法
遺言書で内縁の妻に遺産を相続させると書いておけば、相続人ではない内縁の妻に遺産を相続させることができます。
この場合、厳密に言えば、相続ではなく、「遺贈」ということになります。
「遺贈」とは遺言によって遺贈者(遺産を贈る側)の財産の全部または一部を、受遺者(遺産を受ける側)に無償で譲ることをいいます。
もっとも、遺産の全部を内縁の妻に遺贈すると、遺留分がある相続人から遺留分減殺請求をさせる可能性があります。
参考:遺留分とは
特別縁故者の場合
特別縁故者とは、被相続人(亡くなった方)に法定相続人(相続を受け取る人)がいない場合に、特別に相続を受ける権利が発生した人のことです。
特別縁故者と認められるには民法上定められており、それに該当しなければなりません。
「特別縁故者」とは、
- (1) 被相続人と生計を同じくしていた者
- (2) 被相続人の療養看護に努めた者
- (3) (1)ないし(2)に準じて「特別の縁故があった」人
となっています。
そして家庭裁判所に特別縁故者の申立を行って裁判所から特別縁故者だと認められなければ、遺産を受け取ることはできません。
この手続きはとても時間や手間がかかり、申立を行ったとしても必ず認められるというものでもありませんので、補充的な手段だと言えます。
一緒に暮らしていた場合
内縁の妻に相続権はありませんが、亡くなった方と一緒に暮らしていた場合には、内縁の妻は亡くなった方の賃借権を援用することができます。
もっともこの場合は、単に亡くなった方と一緒に住んでいた場所に、継続して住むことができる権利が認められるに過ぎませんので、金銭的な遺産をうけとることはできません。
まとめ
結論的には、内縁の妻に遺産を譲るには、遺言書を書くのが確実だということになります。
亡くなった方に相続人がいる場合には、遺留分減殺請求をさせることがあるので、遺言書を作成する際には、考慮して作成するべきでしょう。