税額控除について
税額控除として配偶者控除、未成年者控除、障害者控除などがあり、各相続人の立場を考慮して設けられております。
これらを差し引いた金額が、実際に税務署に支払う相続税額となります。
配偶者控除とは
配偶者控除とは、被相続人の配偶者が、相続や遺贈により実際に取得した財産額が、
1億6,000万円
又は
配偶者の法定相続分の相当額
のいずれか多い金額までは相続税が課されないという制度です。この制度は、配偶者の被相続人の財産形成への貢献や、被相続人死亡後の生活保障などを考慮して、大幅に税額を軽減した特例です。
この特例は、婚姻期間が1日でも認められます。
しかし、遺産分割が終わっていない財産に対しては、原則としてこの特例を適用できませんので注意が必要です。
未成年者控除、障害者控除とは
相続人の中に未成年者がいた場合、相続税額から一定の金額を引くことができます(未成年者控除)。
財産を受け継いだ法定相続人が85歳未満で、障害者にあてはまる場合にも、一定の金額の控除を受けることが認められています(障害者控除)。
未成年者控除要件
以下の2つの要件を全て充たすことが必要です。
- 相続や遺贈で、財産を取得したときに20歳未満である法定相続人
- 相続や遺贈で、財産を取得したときに日本国内に住所がある人
未成年者控除額
未成年者が満20歳になるまでの年数1年につき、10万円で計算した額が控除されます。
1年未満の期間は、切り上げて1年とします。
例えば、長男が12歳5ヶ月とすると、満20歳までの7年と7ヶ月の期間があり、7ヶ月を1年に切り上げるので、期間は8年として計算します。
「10万円 × 8年 = 80万円」
この事例では、結論として80万円の未成年者控除を受けることができます。
障害者控除要件
以下の2つの要件を全て充たすことが必要です。
- 相続や遺贈で、財産を取得した人が相続時に障害者である法定相続人
- 相続や遺贈で、財産を取得したときに日本国内に住所がある人
障害者控除額
控除額は、その障害者が満85歳になるまでの年数1年(年数計算は未成年控除と同じ)につき、10万円(特別障害者は1年につき20万円)で計算します。