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成年後見人・任意後見人とは
大阪府八尾市太田の植田司法書士事務所です。
成年後見制度
成年後見制度を分かりやすく簡単に言うと
認知症などで判断能力を失ってしまっている人(Aさんとする)が、悪徳業者などに騙されてしまうかもしれない場合に、裁判所に申し立てをして、Aさんの生活や財産面を管理する権限をBさん(成年後見人)に与えて、Bさんに、Aさん(成年被後見人)の生活のサポートをしてもらう制度です。
サポートをする人を成年後見人と言います。
サポートをされる人を成年被後見人と言います。
成年後見制度の概要
成年後見制度は精神上の障害 (知的障害、精神障害、認知症など)により判断能力が十分でない方が不利益を被らないように 家庭裁判所に申立てをして、その方を援助してくれる人を付けてもらう制度で、その援助をする人を成年後見人と言います。
たとえば、一人暮らしの老人が悪質な訪問販売員に騙されて高額な商品を買わされてしまうなどといったことを最近よく耳にしますが、 こういった場合も成年後見制度を上手に利用することによって被害を防ぐことができる場合があります。
さらに詳しく
また、成年後見制度は精神上の障害により判断能力が十分でない方の保護を図りつつ自己決定権の尊重、残存能力の活用、 ノーマライゼーション(障害のある人も家庭や地域で通常の生活をすることができるような社会を作るという理念)の理念をその趣旨としています。 よって、仮に成年後見人が選任されてもスーパーでお肉やお魚を買ったり、お店で洋服や靴を買ったりするような日常生活に必要は範囲の行為は本人が自由にすることができます。
どのような場合に成年後見制度を利用するべきか
- 認知症などによる判断能力を失った方のために、介護の契約を結んだり,財産を管理したりする必要がある場合。
- 交通事故により判断能力を失った方に代わり,その方のために,保険金(損害賠償)を請求する必要がある場合。
成年後見登記制度
成年後見登記制度は、法定後見制度と任意後見制度の利用の内容、成年後見人の権限や任意後見契約の内容などをコンピューターシステムにより法務局で登記して、登記官が登記事項証明書を発行して情報を適正に開示することによって、判断能力の衰えた方との取引の安全を確保するための制度です。
以前は戸籍に記載されていましたが、プライバシーの保護や成年後見制度の使い勝手を考慮して成年後見登記制度が新たに作られました。本人や成年後見人から請求があれば法務局から登記事項証明書が発行され、これを相手方に示すことによって安全で円滑な取引ができることになります。
成年後見制度のメリット
- 成年後見人には取消権があるので、成年被後見人が詐欺被害や悪徳商法の契約をしても取り消すことができる。
- 元気な間に、居住・生活環境や財産の使い方などについての考えを書面で残しておけば、後見人は可能なかぎりあなたの意思を尊重して、後見人としての仕事をすることができる。
- 後見人が被後見人の健康・安全・生活レベルの維持を見守り、犯罪や悪徳商法の被害から守ることができる。
- 家庭裁判所が後見人から報告を受ける形で、あなたの生活を見守る。
- 後見人がしっかりと財産管理をしておけば、相続のときまでその記録が残り、相続問題でのトラブルを避けることにつながる。
成年後見制度のデメリット
- 会社の取締役、医師、弁護士等の一定の資格に就くことができない。
- 成年被後見人の財産の維持管理が主要な目的の為、節税対策や投資、運用等はできない。
- 成年後見人に報酬を支払わなければならない。
- 成年後見人が誰になるかは基本的には分からない。
成年後見人を選任する手続きの流れ
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1家庭裁判所への申立
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2家庭裁判所の調査官による事実の調査
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3精神鑑定
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4家庭裁判所による審判
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5審判の告知と通知
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6法定後見開始
成年後見等の申立書類作成依頼の費用
司法書士報酬
約8万円(別途実費が必要です)
実費
- 収入印紙 800円
- 切手 3,950円
- 登記用収入印紙 2,600円
- 鑑定費用 5~10万円(鑑定する場合に限ります。全体の1割ぐらいで行われているようです。)
詳しくはこちらを参照してください。裁判所によって異なります。
任意後見制度
任意後見制度の概要
任意後見制度は本人が契約の締結に必要な判断能力を有している間に、将来自己の判断能力が不十分になったときの後見事務の内容と後見する人(任意後見人といいます)を、自ら事前の契約によって決めておく制度です(公正証書を作成します)。
なお、任意後見制度での家庭裁判所の関与は、本人があらかじめ選任しておいた任意後見人を家庭裁判所が選任した任意後見監督人を通じて監督するにとどまります。
もう少し分かりやすく言いますと、今は元気でなんでも自分で決められるけど、将来は認知症になってしまうかも・・・という不安を感じている方が、将来を見越して事前に公証人役場で任意後見契約を結んでおき、本人が認知症かなと任意後見人が思った時に家庭裁判所に申し立てをして任意後見監督人の選任をしてもらうといったものです(任意後見監督人は本人が選んだ任意後見人がきちんと仕事をしているかチェックします)。
なお、任意後見契約においては任意後見人を誰にするか、どこまでの後見事務を委任するかは話し合いで自由に決めることができます。
ただし、一身専属的な権利(たとえば、結婚、離婚、養子縁組など)については任意後見契約に盛り込むことはできません。
高齢者見守り契約について
任意後見契約を締結後、任意後見が始まるまでには時間があるのが通常です。
もっとも、任意後見が始まる前から定期的に会って、本人の健康状態や生活状況を把握し、適切な時期から任意後見を始めることができるようにしたほうがよいでしょう。
そのような場合におすすめなのが高齢者見守り契約というものです。
詳しくはこちら。
任意後見制度のメリット
- 本人の判断能力が低下する前に契約をするので、本人が後見人を選ぶことができる。
- 契約内容が登記されるので任意後見人の地位が公的に証明される。
- 家庭裁判所で任意後見監督人が選ばれるので、任意後見人の仕事がチェックされる。
任意後見制度のデメリット
- 死後の処理を委任することができない。
- 法定後見制度のような取消権がない。
- 財産管理委任契約に比べ迅速性に欠ける。
任意後見制度利用の費用
任意後見契約作成費用 10万円~
任意後見人就任 月5万円~
成年後見制度、任意後見制度について詳しく知りたい方はお気軽にご相談ください。
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